【①段差解消】ユニバーサルデザインから見た住まいの基礎知識 1/5
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
ユニバーサルデザインから見た
住まいの基礎知識を、
①段差
②手すり
③ドア
④階段
⑤車いす
の、全5回に分けてお話したいと思います。
この記事を書くきっかけ
この【ユニバーサルデザイン】の
テーマで記事を書こうと思ったのは、
地元の同級生から
介護改修工事の依頼を受けたからです。
これを機に改めてきちんと勉強しようと思い、
ブログというカタチでアウトプットさせていただきます。
ユニバーサルデザインとは
そもそものところ、
ユニバーサルデザインとはなんでしょうか。
1985年にアメリカで提唱されたユニバーサルデザインは、
「年齢や能力、状況などにかかわらず、
デザインの最初から、できるだけ多くの人が利用可能にすること」
参照:Wikipedia
が基本コンセプトとされています。
簡単にまとめるなら、
【 誰にでも優しいデザイン 】
といったところでしょうか。
「優しいデザイン」
といえば、
「バリアフリーデザイン」もあるはずでは。
と思われた方は実に鋭い!
「ユニバーサルデザイン」
「バリアフリーデザイン」は
同じようなコンセプトですが、
バリアフリーデザインは、
身体にハンディキャップを持った方に配慮したデザインを指します。
なので、
バリアフリーデザインも
ユニバーサルデザインの一部と捉えることができます。
それでは、
ユニバーサルデザインから見た
住まいの基礎知識
①段差とその解消方法
についてお話します。
日本の住宅には段差が多い
玄関では靴を脱ぐため上り框がある
和室と洋室が混在するため床の高さが揃わない
浴室・トイレの床掃除で水がこぼれないように床を少し下げる
など、
日本の住宅は段差が生まれやすいつくり
になっています。
完全に無くしてしまうことはできませんが、
つまづかないための安全の工夫はできます。
その工夫のポイントをお話します。
1:段差をわかりやすくする
段差がどこにあるのかわかりやすいように、
色や模様を変えて目立たせることができます。
外部から玄関に入るアプローチの階段などが挙げられます。
2:段差を取る
最近の住まいでは、
ドアの下には隙間があって、
その隙間を空気が循環するようになっています。
しかし少し前に建った家では、
ドアの下に敷居がついている仕上が多くあります。
どうしても段差になる
敷居そのものを取り去ってしまう方法があります。
3:床面をかさ上げする
浴室やトイレは中で水を使います。
その水が浴室やトイレから出ないように
床の高さを周りより少し下げて作ります。
これが段差になります。
特に浴室は転倒したときのリスクが大きいので、
段差の解消は大切です。
樹脂でできたすのこを敷き詰めて
段差をなくしたり、
段差が低ければ、
浴室用の畳や
コルクのタイルを敷きこむ
などの方法もあります。
4:高さを小分けにする
玄関の上り框はおよそ40㎝の高さがあります。
上り下りには危険な高さなので、
段の高さを低くした床を設けるか、
適切な高さの踏み台を設けることができます。
5:スロープを設ける
家と敷地や道路との高さを解消するのに、
スロープを用いる方法もあります。
スロープの勾配が大切で、
【1/12以下、車いすなら1/15以下が望ましい】
となっています。
これは、
1m上がるのに15m必要
という意味で、
住宅でよく見かける高低差
45㎝上がるのにおよそ10m必要となります。
玄関の前や道路から1.5mは平らな部分が必要で、
その長さもスロープに加算されます。
思っていた以上に意外と長くなるので、
スロープを考えるときは注意が必要です。
スロープ以外では、
車いす用段差解消機を設ける方法もあります。
これは【車いす】の回で詳しく説明します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
段差は無くすことはできない。
と、お考え下さい。
地味で見過ごされがちなポイントですが、
これからもいまの住まいに永く住み続ける大切なポイント
なので、
改めて見直されてみてはいかがでしょうか。
当社は約20年の介護改修工事年の実績があります。
地域の住環境向上の一助として行ってまいりました。
親身になってお応えいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考書籍:
LIXIL いつもイキイキ 住まいのUDガイドブック
安心の住宅を手に入れるには、信頼のおける住宅調査から始めましょう!
地震に強い、地震に安全な住まいのために、耐震診断・耐震改修を!