古を現在に活かそうとする気持ち -地元の伝統工芸に触れて-
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
地元の素晴らしい技術に触れて感じたことをお話します。
地元下市町の名産『三宝』
皆さんは『三宝』をご存じでしょうか。
三宝とは、神仏に祈りをささげる際に
献上物や供物を載せる台として使用されるものです。
一般のご家庭ではには正月の鏡餅を載せたり、
神棚にお供えする台として使用されています。
日本国内の三宝の約80%~90%は、
奈良県の吉野郡下市町で製造されています。
この制作技術は『日本遺産』にも登録されています。
三宝・神具はいにしえより下市町において生産されていました。
後醍醐天皇が吉野に皇居を移されたとき、
献上物の器として三宝を用いたのが始まりとされています。
三宝の技を現在に活用する
本日はその三宝を明治43年から作り続けている、
地元下市町の『吉谷木工所』さんにお邪魔しました。
その中、ひときわ目を引いたのがコチラ、
三宝の技術を用いた小物入れです。
レーザー加工で施された伝統模様がとても魅力的です。
伝統模様好きの私にはたまらない一品です♪
続いてはコチラ、
三宝の『曲物(まげもの)』の技を利用した、
木製のトング『TONGI(トン木)』です。
三宝は細い木材を、切り込みを入れて正確に曲げる技術に優れています。
その優れた技術を用いて開発されたのが、
マルチボックス『八宝(HAPPO)』です。
マルチボックス『八宝(HAPPO)』は、
1枚の板を三宝の『曲げの技』で8角形に曲げてボックス状に加工したもので、
にっぽんの宝物JAPANグランプリ2020-2021
工芸雑貨部門 グランプリ
を受賞されています。
こんなに素晴らしい技術と、
それを現在に活かそうとする気持ち
に出会えたことが、
とても誇らしくうれしく感じています。
いにしえのものを現在に活用する
昔から大切に受け継がれてきたものを、
現在に合うかたち・方法で活用する。
私はこの考えが大好きです。
私が取り組んでいる『古民家再生』にも通じる考え方だと思っています。
『現在に合うかたち・方法』がとても大切で、
伝統技術も古民家も、現在の生活スタイルに溶け込み、
意識せずともいつもそこにある。
ぐらいになじむと良いな。と常々感じています。
三宝の職人さんと古民家好きの建築士。
職種は違えど同じ
「古のものを受け継ぎ伝える者」
として、
『古を現在に活かそうとする気持ち』
が大切だと感じた1日でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考ホームページ:
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