【④階段】ユニバーサルデザインから見た住まいの基礎知識 4/5
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
ユニバーサルデザインから見た
住まいの基礎知識を紹介する全5回シリーズ
①段差
②手すり
③ドア
④階段
⑤車いす
についてお話します。
住まいにとっての階段とは
住まいを計画するとき、
部屋は大きく取って、
その分階段のスペースは小さくなりがちです。
スペースが小さくなると
階段は自然と急な勾配になります。
急な階段は年を重ねていくと
転倒の危険性があります。
このイラストのようにはなりたくないですよね。
転倒が怖くて2階に上がるのがおっくうになって、
せっかくの2階を使わなくなることになってしまいかねません。
階段にはゆとりを持たせて
ストレスなく上り下りできるようにする
のがポイントです。
階段の各部の呼び方
階段の部分にはそれぞれ名前があります。
1段の高さを【蹴上げ(けあげ)】
足をのせる面を【踏み面(ふみづら)】
踏み面の先端部を【段鼻(だんばな)】
踏み面から垂直に立つ板を【蹴込み板(けこみいた)】
蹴込み板の上部の段板が突き出す長さを【蹴込み(けこみ)】
といいます。
つまづき防止のために
急勾配の階段で足をのせるところを広くしようと
蹴込みの長さを大きくすると、
上るときにつま先が引っかかってしまいます。
くだるときは、
足がのる広さは狭いままになり、
足を踏み外す恐れがあります。
段鼻に滑り止めを付けるときは、
踏み面戸フラットになるように取りつけます。
滑り止めに厚みがあると、
階段を下るときにつまづく恐れがあります。
階段の快適な勾配は
急勾配では危険と書いてきましたが、
階段の勾配を具体的に見ていきましょう。
階段の勾配は、
踏み面(T)と蹴上げ(R)を組み合わせた公式
【T+2R=55㎝から65㎝まで】
で表されます。
例えば、
踏み面と蹴上げがともに20㎝だった場合、
踏面20㎝+2×蹴上20㎝=60㎝
といった具合です。
この数値が大きいほど緩やかな階段ということになります。
この図でいうところの、より右側に行くほど緩やかになります。
方向転換のスペースを考える
階段スペースが限られてどうしても途中で方向転換をするとき、
上り下りに加えて身体の向きを変える動作が必要になります。
その時に足を踏み外す恐れがあるので、段を広く取る工夫が必要です。
1段を30度で配置すると向きを変えながら降りるので、
不安定な姿勢が続いてしまいます。
足をのせる部分も狭くなります。
階段スペースにゆとりがあるなら、
段を90度に配置するのがベストです。
おわりに
住まいの中を上下に移動する
階段の特徴を紹介しました。
いかがだったでしょうか。
日常動作にストレスなく快適な毎日を送るためにも、
安全に移動できる階段の形状は大切です。
これからもいまの住まいに永く住み続ける大切なポイント
なので、
改めて見直されてみてはいかがでしょうか。
当社は約20年の介護改修工事年の実績があります。
地域の住環境向上の一助として行ってまいりました。
ご相談やご質問などお気軽に
親身になってお応えいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考書籍・画像引用:
LIXIL いつもイキイキ 住まいのUDガイドブック
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