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【④階段】ユニバーサルデザインから見た住まいの基礎知識 4/5
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
ユニバーサルデザインから見た
住まいの基礎知識を紹介する全5回シリーズ
①段差
②手すり
③ドア
④階段
⑤車いす
についてお話します。
住まいにとっての階段とは
住まいを計画するとき、
部屋は大きく取って、
その分階段のスペースは小さくなりがちです。
スペースが小さくなると
階段は自然と急な勾配になります。
急な階段は年を重ねていくと
転倒の危険性があります。
このイラストのようにはなりたくないですよね。
転倒が怖くて2階に上がるのがおっくうになって、
せっかくの2階を使わなくなることになってしまいかねません。
階段にはゆとりを持たせて
ストレスなく上り下りできるようにする
のがポイントです。
階段の各部の呼び方
![](https://nakatanikoumuten.jp/wp-content/uploads/2021/04/9278671af386f0fd8de023808b8abc3c.jpg)
階段の各部名称(寸法は品確法を参考にしています)
階段の部分にはそれぞれ名前があります。
1段の高さを【蹴上げ(けあげ)】
足をのせる面を【踏み面(ふみづら)】
踏み面の先端部を【段鼻(だんばな)】
踏み面から垂直に立つ板を【蹴込み板(けこみいた)】
蹴込み板の上部の段板が突き出す長さを【蹴込み(けこみ)】
といいます。
つまづき防止のために
急勾配の階段で足をのせるところを広くしようと
蹴込みの長さを大きくすると、
上るときにつま先が引っかかってしまいます。
くだるときは、
足がのる広さは狭いままになり、
足を踏み外す恐れがあります。
段鼻に滑り止めを付けるときは、
踏み面戸フラットになるように取りつけます。
滑り止めに厚みがあると、
階段を下るときにつまづく恐れがあります。
階段の快適な勾配は
急勾配では危険と書いてきましたが、
階段の勾配を具体的に見ていきましょう。
階段の勾配は、
踏み面(T)と蹴上げ(R)を組み合わせた公式
【T+2R=55㎝から65㎝まで】
で表されます。
例えば、
踏み面と蹴上げがともに20㎝だった場合、
踏面20㎝+2×蹴上20㎝=60㎝
といった具合です。
この数値が大きいほど緩やかな階段ということになります。
この図でいうところの、より右側に行くほど緩やかになります。
方向転換のスペースを考える
階段スペースが限られてどうしても途中で方向転換をするとき、
上り下りに加えて身体の向きを変える動作が必要になります。
その時に足を踏み外す恐れがあるので、段を広く取る工夫が必要です。
1段を30度で配置すると向きを変えながら降りるので、
不安定な姿勢が続いてしまいます。
足をのせる部分も狭くなります。
階段スペースにゆとりがあるなら、
段を90度に配置するのがベストです。
おわりに
住まいの中を上下に移動する
階段の特徴を紹介しました。
いかがだったでしょうか。
日常動作にストレスなく快適な毎日を送るためにも、
安全に移動できる階段の形状は大切です。
これからもいまの住まいに永く住み続ける大切なポイント
なので、
改めて見直されてみてはいかがでしょうか。
当社は約20年の介護改修工事年の実績があります。
地域の住環境向上の一助として行ってまいりました。
ご相談やご質問などお気軽に
親身になってお応えいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考書籍・画像引用:
LIXIL いつもイキイキ 住まいのUDガイドブック
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