豊かな自然と懐かしさを感じる『井戸のある暮らし』のススメ
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
不意に見つけたお気に入りのアイテムから、
『井戸のある暮らし』について語ってみます。
いつものホームセンターにて・・・
いつも通い詰める大型ホームセンターで、
最近お目にかからないものが売られているのを見つけました。
それがコチラ。
いわゆる『井戸の手押しポンプ』です。
私はこのレトロ感が大好きで、
なごむ風情を感じるところも気に入っています。
みなさんもこの手押しポンプは、
昔見たことある。
とか、
田舎の家にはある。
イメージかと思われます。
私が携わっている『古民家再生』でも、
ほとんどの古民家には、井戸が備わっています。
最近は防災の観点からも『井戸』が見直されています。
そこで今回は『井戸のある暮らし』のお話です。
思いのほか簡単に導入できる『井戸』
「井戸を掘る」と聞くと
なかなか大変そうなイメージをもたれるかと思います。
イラストのような昔からある、
『貞子』が出てきそうな井戸はともかくとして、
現在は
パイプを地中深く埋め込み、
ポンプで汲み上げるタイプがほとんどです。
みなさんのご実家にも、
写真のような電動ポンプがあるのでないでしょうか。
少し調べてみると、
DIYで井戸を掘っている方もおられたり、
『井戸掘りキット』なるものが売られていたりします。
井戸のメリット
まずはご家庭で使う井戸の、
大きなメリットからお話します。
水道代や下水道代が安く済む
井戸から汲み出した水は無料で使えます。
水質にもよりますが、
ほとんどの場合は庭木や芝生の水やりには使えます。
下水道料金は使った水の量から計算されますから、
水道水を庭木にあげると、
その水も下水道料金に含まれます。
普段使う水の一部でも、
水道から井戸水に切り替えれば、
その分下水道料金も下がることになります。
一年中水温が一定
地中数メートルから十数メートルの地下水を汲み上げるので、
地熱によって一年中15度前後と、
水温がほぼ変わらない使うことができます。
「夏は冷たくて、冬は凍結しない」
理想の水資源と言えますね。
無味無臭である
水道水のカルキのニオイも一切しない、
天然のおいしい水を汲み上げることができます。
ただし、
飲料水として井戸水を使用するには、
水質検査に合格している必要があります。
災害時に水を確保できる
災害が起きたあと大変なのが『水道の復旧』です。
前述した水質検査に合格している必要はありますが、
復旧までの間、
井戸水を飲用水や生活用水として使うことができます。
井戸のデメリット
井戸にまつわる
大きなデメリットもご紹介します。
井戸を掘る費用がかかる
井戸水が出るまでの
およそ数メートルから十数メートル掘り進め、
井戸を作る費用と、
電動ポンプの電気代やメンテナンス費用、
定期的な水質検査や井戸の洗浄
などの井戸をメンテナンスする費用が発生します。
一概には言えませんが、
長期的視点で見れば、
水道代より安くなる傾向にあります。
井戸水が汚れている場合がある
全ての井戸水がキレイなら良いのですが、
そういう訳にはいきません。
地下から汲み上げるため、
土質などの影響を受けて水質は変化します。
特に井戸水を飲用として活用する場合は、
事前に水質検査を行ったり、
高機能な浄水器を設置するなどの、
対策を施したほうが安心です。
黒ズミ・黄ばみ・細かい砂が出る
地下に含まれる成分も一緒に汲み上げるので、
トイレなどの生活用水に使った場合、
黒ズミ・黄ばみ・細かい砂が出ることがあります。
ちなみに、洗濯機に井戸水を使うと、
メーカー保証の対象外になります。
メリット・デメリットのまとめ
メリット:
水道代や下水道代が安く済む
水道水と井戸水の使い分け
一年中水温が一定
一年中快適なお水が使えます
無味無臭である
お水本来の味を楽しめる
災害時に水を確保できる
災害時のライフラインの確保に
デメリット:
井戸を掘る費用がかかる
ランニングコストもかかるのがポイント
井戸水が汚れている場合がある
常に清潔な水なのかのチェックが大切
黒ズミ・黄ばみ・細かい砂が出る
洗濯の時は特にご注意を
おわりに
『井戸のある暮らし』のお話は、
いかがだったでしょうか。
手押し式のポンプで汲み出した水で、
スイカを冷やして食べる。
そんな暮らしも素敵だな。
とあこがれも感じています。
スローライフが多く語られる昨今、
豊かな自然と懐かしさを感じられる、
『井戸のある暮らし』
も、暮らし方の選択肢に加えていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
写真引用ホームページ:
東邦工業株式会社 手押しポンプ
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