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古民家リノベで私がこだわるところ3選
さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)の中谷耕三です。
今回は、
古民家リノベで私がこだわるところ3選
と題してお話をしましょう。
仕事ではよく、
【神は細部に宿る】と聞きます。
それがコチラです。
【 1:古民家の柱・梁は一切動かさない 】
【 2:気密よりも断熱にこだわる 】
【 3:残すべきモノの見極める 】
それでは、
こちら3つを順にご説明いたしましょう。
【1:古民家の柱・梁は一切動かさない 】
他の工務店や施工業者と
大きく異なるところはココかと思います。
柱や梁は一切動かさず、
補強したうえで少し削るか、
梁の下をくぐらない動線になるように、
間取りや家具レイアウトで工夫します。
動かしてしまうほうが簡単にいくのでしょうが、
私はそれをしません
では、その理由を説明します。
古民家には、【通り土間】といって、
玄関から裏口までほぼ地盤面のままで通り抜けられます。
それで、玄関から見て右側にかまどがあり、
少し床があっての五右衛門風呂があります。
玄関から見て、
左側には和室が4室田の字に
通り土間を挟んで並びます。
これが典型的な古民家の平面レイアウトです。
当時は野良仕事が主なので、
畑から帰ってきたらすぐ食事、
食べ終わったらすぐ畑。
と、部屋には入らずに1日が終わる生活スタイルでした。
なので、通り土間だととても便利に生活できたのです。
しかし今はどうでしょう。
通り土間に床を作るのが定石となっています。
そこで問題なのが、
【 通り土間と和室の高さの差 】
になります。
通り土間を挟んで、玄関から見た
かまど側(右側)と和室側(左側)では、
床も梁の高さも違います。
梁とは柱を横につなぐ大きな部材です。
大きいゆえに、通り土間に床を作ると、
その梁が頭に当たるほどに迫ってきます。
現代人の身長からすると、
ご家族によっては頭が当たります。
それでは、
その当たる梁を上にあげてしまえば問題解決!
なのですが、
古民家の柱や梁は、
約80~100年もの間重みを支え続けてきました。
いわば、
絶妙なバランスが取れている状態です。
このバランスが、、
梁1本切り取って付け替えるときに、
どんなバランスのくずれ方をするのか、
想像できません。
なのでわたしは、今までの柱・梁を尊重して
その位置を変えることはしません。
このこだわりは、
先人が絶妙なバランスでくみ上げた古民家の構造に、
敬意を払うような感覚です。
【 2:気密よりも断熱にこだわる 】
古民家改修の計画では、
気密よりも断熱を優先させます。
これは以前のブログ
素朴な味わいに住まう 古民家リノベの3つの魅力と4つの注意点
でも書きましたが、
古民家は、
日本の高温多湿に合わせて、
夏を涼しく過ごすように考えられて作られています。
ということは、冬が寒いのです。
一般の住宅に比べて古民家は、
開口部つまりは建具が多いので、
断熱には不利な構造です。
家が寒いだけで、健康寿命は短くなる。
とも言われます
そこで、
・床や壁の断熱材充填
・建具から壁に変えて、構造補強と断熱材充填
・外部サッシは複層ガラスに変更
等の工夫で、断熱効果を高める手法を取ります。
【 3:残すべきモノの見極める 】
私が古民家に携わらせていただくときに、
この古民家の
歴史を物語るモノはなにか
時を刻んできたモノはなにか
を常に考えます。
そしてそのモノを、
これからの生活空間の一部に、
毎日触れるように組み込みます。
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かまどの近くにあった格子に手を加えて、玄関でお出迎えをする色紙掛けにしてみました。
特徴ある格子を、
「季節の色紙」掛けに加工したり、
むかし背を測った柱のキズを、
見える位置で使ったり、
解体して出てきた大きな梁を加工して、
玄関の上り框に使ったり、
そのままリビングに柱として使ったり、
などなど・・・。
いろんな形で残してきました。
姿形は変われど、
その住まいの中で使われ続け、
時が育んだ趣と風合いを感じながら、
暮らしてもらいたい。
それが、
先代も含めた家族への感謝につながるのではないか。
そう思って計画しています。
ご縁ある方々への感謝
いままでたくさんの古民家改修をさせていただきました。
その中で一番感じるのが、
施主様との出会いとご理解
職人さんのこだわりとがんばり
のおかげと、日々感謝しています。
この感謝を忘れずに、
永く心地よく暮らせる住まいを増やしていきたい
と感じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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