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古民家リノベの醍醐味!古建具の活用の魅力

さて、みなさん。
永く心地よく暮らせる住まいづくりのスペシャリスト
NKプランニング株式会社(中谷工務店)中谷耕三です。

今回は、
古民家リノベの醍醐味!古建具の活用の魅力
を語っていきましょう。

古建具には、人の気持ちが宿る

家の中で一番手が触れるところが
「建具」
ではないでしょうか。

うれしかったとき、
気分がのっているとき、
不機嫌なとき、
さみしいとき

などなど、

家族のいろんな気持ちを
住まいは受け止めます。

そのなかでも、
一番手が触れる建具は、
人の気持ちがこもるのではないか。

古民家は築年数が古いので、

より永い時間気持ちに接する分、
一層気持ちが宿るのではないか。

普段からそう感じながら、
古民家と関わっています。

 

古い建具の特徴

古い建具には、
現在の建具と際立って違う特徴があります。

・時が紡ぐ趣き、味わいがある

最近の商品には、エイジング加工を施して
経年劣化の趣きを出した商品もあります。

古建具は正真正銘のエイジング、
つまりは生きている時間が長い建具なのです。

生きている時間が長いからこそ、
人を引き付ける魅力があると感じます。

・丁寧な手仕事の良さ

【当社施工現場】古建具の仕事は細かいものが多いです。昔の職人さんに脱帽です!

古建具は現在のように
精密な機械が無い時代の建具ですから、

全てが手仕事です。

ひとつひとつ丁寧に時間をかけて
出来上がったものばかりです。

そこには仕事を託された
作り手の気持ちが込められます。

その気持ちは、
建具がこれからも使い続けられることで
いまに生きるのではないでしょうか。

・建具の高さが低い

これは当時の人の身長が低かったことに起因します。

現在に置き換えれば、大半の人が頭を打つ高さになります。

古建具を再利用するには、
建具の上下に木材を足して大きくして活用します。

 

古建具に見る生活の知恵

古建具のデザインは種類が豊富で、

デザイン性もしかり、
生活環境を良くする工夫

も、持ち合わせているところが素晴らしいです。

私が機能的にもデザインも大好きな建具が、

【簾戸(すど)】
です。

【当社施工現場】簾が組み込まれており、涼しい風とやわらかいひかりが入る建具です

「夏障子」とも言われ、
簾に編んだ葦(ヨシ)などを格子の中に組み込んだ建具です。

簾の隙間から風通しが良く、
高温多湿な日本の夏を快適に暮らす工夫がなされています。

庭の景色や隣の部屋が光の加減で透けて見える、
たいへん風情のある空間になります。

現在でいうところの、
「パッシブ住宅」の考え方が、
昔にこんなに風情のあるかたちで取り入れられている、
先人の知恵に感心します。

 

古建具の活用事例

古建具の活用事例を、
当社施工事例からご紹介しましょう。

・建具として使う

【当社施工事例】建具の上下に木材を足して、高さを大きくして再利用しています

まずはシンプルに、
引違いの建具として再利用した事例です。

建具の高さのままで部屋ができてしまうと、
梁に頭が当たってしまいます。

しかし梁の位置は動かせません。

そこで梁に頭が当たらないように、
床を全て撤去して、床高さを下げて改修しています。

「梁を上げずに、床を下げる」ことで高さを確保しています。

床が下がった分だけ建具が足りなくなるので、
建具の上下に木材を足して再利用しています。

・ドアとして使う

【当社施工事例】ドアへの再利用事例です。小ぶりな古建具を選ぶことが多いです。

引戸だけではなく、ドアとしても再利用しています。

建具の四方に木材を足して大きさを調整します。

古建具は、
建具を構成する木材には細いものを用いるので、
ドアノブなどの金物を取り付けるには細すぎます。

古建具に金物を取り付ける分を
計算に入れて木材を足していくので、

おのずと
小ぶりな古建具をドアに再利用する
ことが多いです。

・デザインを活かして他の用途に使う

前述した【簾戸(すど)】を別のところで再利用した事例です。

古くからある旅館の浴室リフォームの現場にて。

簾戸の雰囲気が良いので
脱衣室の出入り口に使うことになります。

【当社施工現場】かなりの年代物の簾戸です。お手入れが行き届いているので、傷みがほとんどありません

↑この簾戸のままだと部屋の中が見えてしまうので、
アクリル板の間に和紙を挟んだ商品を片側に張ります。

【当社施工事例】簾戸の片面をアクリル板で障子紙ぽく張った事例です。

「片方から見たら紙障子、もう片方からは簾戸に見える」
ようにしました。

もちろん、職人さんの細かい手仕事のおかげで、
鍵もきちんとつけています。

古建具が持つ雰囲気を活かして、機能性も持たせた改修事例です。

・建具の一部分を使う

折角の古建具も、傷み具合によってすべてが使えるとは限りません。

全てがダメなら一部分だけでも使おうとした事例です。

【当社施工事例】建具の一部を色紙掛けにリニューアル!

建具から格子の一部をうまく切り出し、
玄関に飾る色紙掛けにリニューアルしました。

改修前の家を知っている方には
どの部分なのかわかる方もおられました。

建物の記憶を面白いかたちで引き継げた!
と手ごたえを感じています。

・ガラスだけ使う

古建具についているガラス板には
古い時代のものが多く、全て手で作っています。

今ではとても手に入らないものばかりです。

こういった貴重なガラスを
修理用にきちんと集めている建具職人さんも
たくさんおられます。

そんな貴重なガラス板を使った事例です。

【当社施工現場】独特の柄のガラス板です。今ではかなり貴重なものです。

↑この独特な模様が入ったガラス板の建具ですが、
間取りの都合でこの建具は使いません。

そこですべてのガラス板を外して、
新しく設ける室内窓に再利用しました。

 

【当社施工事例】古いガラス板を新しい室内窓に再利用した事例です

↑建具は新しいですが、ガラス板は当時のままです。

この現場の奥様がものすごく喜んでくれたのを、
今でも思い出します。

昔からの雰囲気をアップデートしたような気分になりました。

 

古民家インスペクション

今回は建具の再利用の事例でしたが、
古民家をこれからも永く使っていくには、
まずは古民家の現状を把握することから始まります。

現状を把握する調査を、

【古民家インスペクション】
(伝統的構法による木造建築物状況調査)

といいます。

当社の調査は、
古民家を熟知した一級建築士が
丁寧な調査を行います。

調査内容などより詳しいことは、
NKプランニング株式会社 古民家インスペクションページ

からご覧ください。

・田舎にある実家がかなり古いけど・・・。

・古民家で田舎暮らしをしてみたいけど、
 建物がちょっと不安・・・。

・古民家でカフェを開きたい!

などなど、

古民家に関わるご相談ならば

こちらまでお気軽にお問合せください!

親身になってお答えいたします。

 

おわりに

古民家に携わっていると、
どうしても残せない部分が出てきます。

だからこそ、
残せる部分は手に残して、
現在のニーズに合うように
新しい価値を付与する。

 

思い出の残る住まいに

新しい息吹を与える

 

そう心掛けながら、
これからも古民家と接していきたいと感じています。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

※本ブログの写真の無断使用を固く禁じます。

 

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